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鼻瘤悪尉(はなこぶあくじょう)

能「鞍馬天狗(くらまてんぐ)」

 鞍馬山の花見の稚児達の前にあらわれたひとりの山伏。一行が立ち去った後、ひとり残された牛若丸――沙那王(しゃなおう)に同情した山伏は、花見の後、鞍馬の大天狗と自らを明かし、明日の再会を約束して飛び去ります。長刀(なぎなた)を手に持つ沙那王の前に、あらわれいでた大天狗は、源氏の再興を予言し兵法を伝授し、終生の守護を約束しては、翔け失せていきます。
  ――頭に大兜巾、手には羽団扇をたずさえた大天狗の面は、大べしみか悪尉(あくじょう)、または皺瘤悪尉(しわこぶあくじょう)を用い、いかめしい異形(いぎょう)の皺影に、疎外されるものの孤高と寂莫がにじみ出していくようです。

鼻瘤悪尉(宝来作 室町時代)

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