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燕子花(かきつばた)

 溢れんばかりの木漏れ日に、かざした手のひらまで新緑の濃淡に染め付けられそうな、皐月・5月の到来。

 上賀茂神社の北東に位置する大田神社では、もうカキツバタの群落がいっせいに花を開き、まるで沢全体に、青紫色の無数の明かりを灯したよう。

神山(かみやま)や 大田の沢のかきつばた 深き頼みは色に見ゆらん

 平安期の歌人、藤原俊成(ふじわらのしゅんぜい)の名歌にも詠われたこの太田の沢は、古来よりの貴重なカキツバタの自生地として、現在では国の天然記念物に指定されています。時代ごと、幾多の風流人に愛でられ、また大切に守られてきたこの沢の淵で、これからもまた多くの人々が、この紫紺色の花々を楽しみ続けられますように!

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