京都新発見サイト 逸都物語

生成(なまなり) を表示

生成(なまなり)

能「鉄輪(かなわ)」

 新しい妻を迎えた夫が、自分を捨てたことを恨み抜いた女は、木下闇をぬって貴船神社に丑の刻まいりに急ぎます。恨めしさにたぎる女は生霊となって、後妻と夫ふたりに呪詛を掛けますが、陰陽師の守護に追われ、再来を予告しながら姿を消していきます。
 後シテの女の面は、「橋姫(はしひめ)」か「生成(なまなり)」を用い、鬼と人の間で諦めきれず喘ぐ心根が、顔をのぞかせた二本の角にあらわされているかのようです。

生成(古元利栄満作 江戸初期)

< 前へ   次へ >