五月~たいしょうさん |
![]() |
![]() |
作者 たきねきょうこ | |
ページ 2 of 2
京都には小豆のこし餡と別に、白味噌を使った味噌餡の柏餅があって、一目見てわかるように味噌餡の方は柏の葉の表側を外に、小豆餡は裏側を外にして包んであります。 なんでも柏の木は、新芽が出ない限り古い葉が落ちないそうで、家系が絶えないという縁起をかついで、江戸時代中頃から端午の初節句に配られるようになったのだとか。今では、粒餡入りの蓬餅を包み込んだ柏餅もあって、こちらは、おまんやさん(和菓子屋)の店先でうれしさに迷い悩むこともしきり。 味噌餡が好きだった祖母、こし餡が好きだったのは母、甘党だった夫はなんでもござれ・・・そして今年も仏壇のお下がりをひとり何個ずつと、もう子供たちが皮算用にせわしなげ。 柏餅をぱくつくすべての子供たちが、すこやかにゆっくり大きくなっていけますように。 菖蒲湯の香りを慈しみ、柏の葉の大きさに驚き、四季折々の慣わしごとをなごやかに楽しむ心を、私たちがいつまでも持ち続けていけますように。 |
< 前へ | 次へ > |
---|