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やすらいさん

 今年の陽気のうららかさに、桜はもう、満開の花を重たげに揺らしてこぼれんばかり。

 加茂川堤も、桜かさねの色目に、かすみ渡っていくよう。

 この季節、人もつい欲張って、あの桜は、この桜はと、都大路を西へ、東へ。でも家のすぐ近く山桜が、薄霞のような花びらをはらはらと散り初めると、京の春一番のお祭り「やすらいさん」の時節も、もうすぐ。

 「鎮花祭」(はなしずめのまつり)の異名を持つこのお祭りの、今様(いまよう)風の歌声に送られるのは、花びらに乗った精霊たち。

 どうぞ、今年も風や雨に散り急がず、その身を安んじることが出来ますように!

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