七月~たなばたさんと御手洗団子(みたらしだんご) |
作者 たきねきょうこ | |
ページ 2 of 2 天上のかささぎ橋の上で、1年間のあれこれを秘めて彦星と織姫、二星が手をとり逢う頃、地上では、それぞれの子供時代を包み込みように、その想いいのたけの短冊が、笹竹を揺らしていることでしょう。 この日、各神社でも七夕飾りに彩られた七夕祭が、催されます。 東山の清水寺内の地主神社や「天神さん」で知られる北野天満宮でも、梶の葉を器代わりに、初夏の実りと、花々がお供えされます。生け込まれたほおずきには、薄黄色の杯型の花と一緒に、もう小さい実が、見え隠れしているかもしれませんね。 北野天満宮の七夕祭には、初夏の恵みのほかに、神前に御手洗団子がお供えされます。御手洗祭とも呼ばれるこの祭りにお供えされるお団子は、上新粉を練って丸め、5つのお団子を串に刺しただけの簡素なものですが、なんと100本も、神殿前に奉納されます。この御手洗団子、豊臣秀吉が北野で大茶会を催した際にも献上され、その風味を愛で賞したと伝えられていますが、秀吉公が召し上がったのは、炭火でこんがり焼き目をつけて、黒蜜のたれに漬け込んだ、私達にもお馴染みの御手洗団子の方だったようです。 御手洗団子は、よく見ると、一番上がやや大きく、2番目以降との間が少し開けられて作られています。これは、一番上を頭に、残りを四肢になぞらえ、人のかたちに模して、厄を払うという意味があるからなのだそう。 今も昔ながらの竹の皮に包んだ、あつあつのお団子を、指先から口のまわりまで蜜で黒光りさせながらほうばると、懐かしい黒砂糖の風味が、口中にじんわり広がっていきます。 何はともかく、 |
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